2006-01-01から1年間の記事一覧
長老派プロテスタント夫妻がともにカトリックに改宗するまでの物語。こういう「改宗もの」は欧米ではポピュラーだが、相対的にクリスチャンの人口比率が低い日本ではあまりニーズはなさそうではある。 福音派からの改宗者Dave Armstrongもそうだが、この方々…
第二バチカン公会議でも活躍した神学者スキレベークスは、驚異的なマリア神学の書『救いの協力者聖母マリア』において、聖ベルナールや聖アクィナスによる無原罪の御宿りの拒否の、積極的な側面を指摘している。 聖ベルナルドや聖トマスなどの神学者は、マリ…
殊能将之氏の日記(2006年11月前半分)より http://www001.upp.so-net.ne.jp/mercysnow/LinkDiary/index.html 「長期的に見れば、人間は必ず死ぬ」とは誰の名言だっただろうか。 しかし、死が目前に迫ると、人間はおびえ、混乱し、どうしていいかわからなく…
スコトゥスの弁証によって神学的な解決(証明に非ず)をみたので、無原罪懐胎の教理と祝祭の正当性はさしあたり明らかになった。まずバーゼル会議(1439年)において肯定的な文書が出された。有効な公会議ではなかったが、この文書は強力な武器となった。Pelik…
無原罪懐胎教義に反対した神学者たちは、アクィナスに見られるとおり、魂の注入と聖化との間に、かならず一定の時間の経過を要する(ほんのわずかではあっても)と考えていた。それゆえ彼らは子宮内での聖化は積極的に支持(それゆえ「聖母の出生」の祝祭なら…
本日三回目の薬の投与がありました。検査によると二回目もかなり効いたようです。最も危険な場所である大静脈中の腫瘍もさらに小さくなり、血液内の腫瘍マーカーも入院時の十分の一まで下がってました。ただし、白血球の数は徐々に下降気味で感染症対策など…
著名な教義史学者Jaroslav Pelikanの"Maria through the Centuries"は、文化史の中でのマリアの位置づけを探求した良書であるが、「大いなる例外―無原罪の懐胎」の章(pp189-200)でこの教義を取り上げている。Pelikanはマリアに関する教義は(他の教義も多か…
平均的な日本人に向かって「人間は生まれながらに罪はない」と述べたとしよう。強いて感想を聞くならば、おそらく多くの者は「何言ってんの、当たり前じゃないかそんなの。」と答えることだろう。そうだとすると、マリアが罪なしに生まれた、というのはとり…
かつて私は、第二バチカン公会議で「教会の外に救いなし」という教義が廃止され、異教徒も救われるようになったと主張するあるクリスチャンに対する論争のなかで、一方で「第二バチカン公会議においてこの教義は廃止されていない」こと、他方で「教会外での…
教皇不可謬の教義は、マリアに関する教義と並んで(あるいはそれ以上に)、非カトリックのキリスト教徒により攻撃されている。そこには多くの誤解・無知もあり、それは非カトリックだけでなく、カトリック教徒にまで広がっている。いずれにせよ非常に論争的…
近刊のこちらは77年ミュンヘン・フライジングの司教になるまでの自伝。ナチスの台頭、戦後の混乱、第二バチカン公会議前後のどたばたなど、まさに激動の時代を生きてきたわけだ。時代の流れに、そして大学政治、教会政治に揉まれてきたことがわかる。司教に…
現ローマ教皇ベネディクトゥス16世が教理省長官だった頃のインタビュー集。インタビュー集と言っても日本でよくある、あほな質問にだらだら答える式ではなく、しっかりテーマ別に編集されていて内容は多岐に渡り、密度は濃い。 一読の印象は「オーソドックス…
低すぎる朝の体温水澄めり 一輝 使わざる階段あまた末枯るる 小春日に点滴連れて厠へと 娑婆に出て背伸びしてみる冬の空 昨日の血液検査の結果白血球が増加傾向にあるということで、本日退院いたしました。完治しているわけではないので、以後は通院治療とい…
生まれ来る前の淋しさ林檎食む 一輝 病院は待つこと多し秋桜 わたくしもたしかにけものなる残暑 副作用による白血球の減少、肝機能の悪化等あるものの、体調は悪くないです。手の指先の痺れはやや緩和しましたが、まだ残ってはいます。 とりあえず来週月曜の…
肉塊に暗きトンネル冬隣 一輝 点滴の落ちては光る月の夜 かゆけれど毛のなき頭きりぎりす 2回目の薬の投与から数日、若干のだるさと食欲減退がありますが、前よりは軽いです。ただ、手の指先の痺れは少し強くなってます。とりあえず、ビタミン剤を処方して…
もう少し生きていいよとみみず鳴く 一輝 絆創膏のいつしかとれていて子規忌 髪落ちて僧とはならず秋の暮 昨日CTの検査があり、経過は良好とわかりました。薬がよく効いたようです。明日の2回目の投与では薬の量を増やすとのこと。 実は副作用で手の指先がず…
銀漢の落ちよ抗癌剤投与 一輝 耳たぶは流刑地に似て稲光 看護師のため口に慣れ秋の風 外泊を許されたので自宅に帰ってます。ちょうど白血球が減少しつつある時期なので、感染症などには注意せねばなりませんが。今日夜には病院に戻ります。 9月15日に緊急入…
われはヒトかモノかと問えば流星雨 一輝 病床に堕落しており長き夜 みなさま、コメントありがとうございます。ひとつひとつ大切にかみしめています。 先週9月21日に、第一回目の薬の投与があり、今は経過見です。目立った副作用はなく、体調がいい時は本を読…
病室の朝はにぎやか涼新た すさまじや体の中を流れる河 天のいと高き所も秋の雨 鶏頭の一本もなき眺めかな 刻一刻減る点滴と桐一葉 秋燈や時おりひびく音ありて 食事とう苦行ありけり穴惑 悪口をためらわず生き曼珠沙華 苦節なき三十八年鳥渡る 前世のかすか…
そういうわけで長期入院し、闘病生活に入ります。現在一時外泊で家に帰ってますが、明日の夕方に病院に戻ります。おそらく携帯からサイトを見る機会はあろうかと思います。
7月末あたりから食欲が落ち体調思わしくなく、なかなか集中してことを成せない状態にあります。ここの更新も滞りがちになるかと思いますがご了承のほどを(まあ、前から滞ることは何度もありましたが)。
というわけで、皇男子のご誕生とあいなった。この手のことにかの勝谷誠彦氏がどんな風に書くのか気になったが、さっそく文章がアップされていた。こんな感じ。 http://www.diary.ne.jp/user/31174 4時起床。万歳。万歳。万歳。現在8時48分。いま秋篠宮紀子…
薄っぺらい本。特に前半に顕著だが、著者の主観が強すぎ、非常に情緒的に思えるところが少なくない。また、靖国神社の今後について、神道色を排して改組すべきという主張にもまったく頷けない。神道という枠組みを亡くせば靖国神社の歴史的連続性が断たれて…
「神は死んだ」と宣告されて久しい。というか百年ほどたっているのだが、著者は神忘却とも言える昨今の世(とくに哲学界)の中心で「神」を叫ぶ。神は死んでねえぞ!そこらじゅう徘徊してるぞ! 近代哲学の成立過程で、理性は自らを「経験」の枠内に閉じ込め…
兵頭二十八・別宮暖朗『大東亜戦争の謎を解く――第二次大戦の基礎知識・常識』、兵頭二十八・別宮暖朗『技術戦としての第二次大戦』、別宮暖朗『旅順攻防戦の真実――乃木司令部は無能ではなかった』、金完燮『親日派のための弁明』など。 最初の二冊はいろいろ…
愛・蔵太先生から愚生のエントリhttp://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20060817/p1がトラバを受けているのに気づいた。 http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20060825/rssbm2006082514#tb こういう取り上げ方はおそらく揶揄なのだろう。となると松平元宮司なら…
新聞の新刊案内を見ていて思わずぎょっとしたので紹介しておきます。 この作家ぜんぜん知らんのだけど、この調子で『神学大全殺人事件』だの『大論理学殺人事件』とか書いてるんでしょうか・・。 http://www.amazon.co.jp/gp/product/4042963013/sr=8-1/qid=…
某作家が可愛い子猫ちゃんを虐殺しているという話題について、あんとに庵さんのブログhttp://d.hatena.ne.jp/antonian/20060823/1156341400に「売名行為でねえの?」とコメントしたところ、たいへんなお叱りを受けたので、少し書いておく。http://news.lived…
出勤途中ほぼ毎日聞いているFM番組に「リポビタンD SPORTS Nonfiction」(パーソナリティ:七尾藍佳、谷中修吾)があるのだが、今日ゲストに出たスポーツライター?(名前失念)は辛辣だった。開口一番「勝ってはいけないチームが勝ってしまった」。あるいは…
ファミレスを舞台にしたシチュエーション4コマ。登場人物はみなひとくせあり、彼らのからみあいが中心。ベタといえばベタ、パターン化されているといえばパターン化されているが、絵のセンスやテンポなど熟練しており、完成度は非常に高い。破壊的な笑いでは…