2009-01-01から1年間の記事一覧

けいおん!OP full version

清水愛『Chimeric voice』PV

真摯なゆるアニメ――『けいおん!』1巻★★★★

というわけで、アニメ第1巻を視聴。第1話「廃部!」第2話「楽器!」収録。 原作のほのぼの感を忠実に丁寧に、デフォルメできそうなところもあえてせず、禁欲的にアニメ化している。完全な娯楽作品であり、アニメにすら「思想」を求めるような御仁には向か…

古き良きキリスト教入門書――C・S・ルイス『キリスト教の精髄』★★★★★

何かいい日本語で読める入門書ってあったっけ、と考えて思い至ったのがこれ。 『ナルニア国物語』などのファンタジー作家として有名なC・S・ルイスは、アングリカン・チャーチの信徒でもあり、数々のキリスト教護教書も出版している。この本はその中でも最…

4コマの中道――かきふらい『けいおん!』1・2巻★★★★★

廃部になりかけた軽音部を舞台に繰り広げられる、最近アニメ化もされた人気漫画。いまさらながら読んでみたが、面白い。絵もうまい。4コマながら完全にストーリー化されており、いわゆる「ぐるぐる漫画」ではない。バンド活動についての、著者の経験と知識…

苦しみの神秘主義

引き続き"Father Seraphim Rose: His Life and Works"より。 「ユージンは記している。「世界の苦しみ(suffering)には意味がある。しかしそれは決して言葉の上で経験されうるものではない。その意味は生きられねばならない。語るものではない」(p.102) …

EASY遍路の記(第15番札所 国分寺)

第14番15時10発第15番15時15分着。 当たり前のことながら、国分寺は各県に一ヶ所づつ存在する。ここは発心の道場阿波徳島、最初の国分寺ということになる(ただし、1番から順打の場合)。 天正年間、兵火によって烏瑟沙摩明王堂(うすさまみょうおうどう)…

Hieromonk Damascene"Father Seraphim Rose: His Life and Works"

日本ではほとんど知られていないが、世界的に著名な正教会の大著作家セラフィム・ローズの生涯と思想を紹介した著作。 1000ページを超える大作だが、ふと読み始めたらとまらないほど面白い。まだ最初の方しか読んでいないが、気になった箇所を引いてみよう。…

EASY遍路の記(第14番札所 常楽寺)

13番14時45分発14番常楽寺着。 流水岩が圧巻。久遠の時の流れに出会った感すらする。そのでこぼこした歩きにくい岩場に本堂が。 ここは88ヶ所中ただ一つの、御本尊が弥勒菩薩の寺。「おん まいたれいや そわか」という御本尊真言はここだけで唱えられる。 …

EASY遍路の記(第13番札所 大日寺)

13番から17番までは固まってある。ここからは時間との戦いだが、17番までがんばろうと思い決め、12番焼山寺を13時30分出発13番14時10分着。山を降り、再び街中に。 駐車場が寺に行く途中にあるが看板が分かりにくいとガイドブックに注意があったのに、思いき…

俳句は何をやってもいい

11月19日の記事「EASY遍路の記(第11番札所 藤井寺)」の拙句「冬時雨われも一人の遍路なる 一輝」について、「時雨」は冬の季語だから「冬」をつけるのはおかしい、というご指摘があった。私は本格的に俳句をはじめてからかれこれ10年にはなる。その方も私…

EASY遍路の記(第12番札所 焼山寺)

11番から12番、歩き遍路道は「へんろ転がし」と呼ばれる難所。通常自動車は違う道を通っていくのだが、ドライブ用ガイドブックによると37.5km100分かかる行程。 藤井寺から10分ほどのローソンで昼食。遍路中は肉絶ちしているので、たまごサンドと小倉餡のデ…

EASY遍路の記(第11番札所 藤井寺)

10番10時25分発11番10時55分着。小雨。 ここは駐車場が有料(300円)。駐車場前の小屋にいる人に前もって払う。 納経を終えて改装中の正門を撮影していると、「どこから来た?」と後ろから質問。正門前で地元の野菜等を売っている店のおじいさんだ。「僕は香…

EASY遍路の記(第10番札所 切幡寺)

9番9時30分発10番9時45分着。少しばかり道に迷った。 ここは本堂まで333段の石段がある。体力の落ちた私にはきつい運動で、気合を入れ直して最初の段に足を踏み出したちょうどその時、上から降りてきた人に「おはようございます」と声をかけられた。こち…

EASY遍路の記(第9番札所 法輪寺)

第8番9時10分発第9番9時15分着。 曇り空も少し晴れてきた。このあたりから団体とぶつかることに。 ここでもハプニング。団体遍路が終えたところで読経をはじめた所、突然ケータイが鳴り出した。第8番でメールした知人からの電話。うっかりマナーモード…

EASY遍路の記(第8番札所 熊谷寺)

7番8時30分発8番8時35分着。 正門に至る石段の上から、御詠歌が聞こえてくる。誰か吟じているのかしらんと思いつつ登ると、実はスピーカーからエンドレスに流れているのであった。他の寺ではこんなサービスはない(今の所)。 正門の両脇の仁王像、この…

EASY遍路の記(第7番札所 十楽寺)

6番安楽寺8時5分出発、7番十楽寺8時10分到着。 こちらもまだ朝なので人まばら。朱塗りの門は竜宮のそれを模したと言われる。広々として気持ちのいいお寺。 納経を終えて門に向かうと、6番で挨拶した御夫人が。歩きのようなので「がんばってくださいね…

EASY遍路の記(第6番札所 安楽寺)

というわけで、本日2回目のつなぎ遍路をしてきた。少なくとも第一の難所第12番札所焼山寺まではやっつけたく、朝6時に家(丸亀市)を出発、実際には第17番札所まで打つことができた。 津田の松原SAで5分ほど休んだのみで高速を走り続け、第6番札所へは7…

"Kasparov: How His Predecessors Misled Him About Chess"

チェス続きでこんなんどうだろう。 カスパロフ『俺のすげえ先輩』シリーズのパロディ本。先輩たちの棋譜を並べ、記憶の貯蔵庫にたんまり格納してしまっていたために、似た局面で同じ手を指して負けた対局を集めている。しかも、カスパロフ自身が解説するとい…

チェス女王の日記

この調子でSebag本をぜひ。 Diary of a Chess Queen

第22期竜王戦七番勝負第3局 渡辺明竜王―森内俊之九段

渡辺勝ち。これで渡辺竜王3勝のリード。 後手番渡辺はいつもの通り角替わり後手を堂々と受けて立った。終盤後手は裸玉で生きた心地がしないように見えるのだが、銀一発で先手ダウン。つえええ。 「竜王戦中継plus」 http://kifulog.shogi.or.jp/ryuou/2009/…

ほぼ一日一句

猫は路地に人はこの世に冬はじまる 一輝 季語「立冬」(冬)

甘辛い青春――筋肉少女帯『新人』★★★

ぎすぎすとすさんだ学生時代を過ごした私にとって、筋肉少女帯は苦い青春の音だ。2ndアルバム『Sister Strawberry』が好きだった。「いくじなし」などは繰り返し繰り返し聴いた。これ以降、音楽性の変化とともに、だんだん興味を失っていった。 2007年に再結…

建築家空海――武澤秀一『空海 塔のコスモロジー』★★★★

2009年10月17日から四国八十八ヶ所つなぎ遍路(区切り打)をはじめた縁もあって、弘法大師空海の著作ならびに空海に関する本をいろいろ読んでいるが、この本はその中の一冊。 自身建築家である著者が、建築家としての空海に光を当て、建築物を通して空海の思…

ほぼ一日一句

輝きは霜降の夜の競技場 一輝 季語「霜降」(秋) 二十四節気の一つ。

空を量子力学で説明できるわけがない。

芥川賞作家であり、臨済宗僧侶でもある玄侑宗久という方が般若心経入門書を上梓し、非常に売れているようである。しかし、その内容は首をかしげたくなるものという他ない。たとえば、以下のような記述がある。 「空」のもう一つの側面は「不増不減」です。 …

般若心経解釈の革命――宮坂宥洪『般若心経の新世界―インド仏教実践論の基調』★★★★★

般若心経は「経」ではない。般若心経の「心」は、「心髄」という意味でも、ましてや「こころ」という意味でもない。 こんなことを本の中で主張しているのを見たら、あまたある般若心経本を読んだ方々は「まさか!?」と思うことだろう。しかし、まさしくこの本…

EASY遍路の記(第5番札所 地蔵寺)

4番から5番までは2kmほど。車なら10分もかからない。 5番に着いて車から降りるやすぐ気づいた。4番大日寺に金剛杖を忘れてきた。時間が切迫しているので、先にお参りをすませてから戻ることにする。歩きならすぐ忘れていることに気づいただろう。一人で…

EASY遍路の記(第4番札所 大日寺)

予定では3番で本日(10月17日)は終えるつもりだったが、まだ16時に達していないので、次も廻ることに。納経を終えたくらいのタイミングで、車を貸していた同僚も到着。3番から4番までは10kmはあるので、ここからは自動車で。というか、歩きだとぎりぎり…

EASY遍路の記(第3番札所 金泉寺)

2番札所の個人用納経所(件遍路用品店)で、3番に歩いて行くにはと訊いた所、正門を出て道路を右に行き、最初の信号を右に、と教えられた。3km弱の行程。 実際門を出ると、すぐ右に遍路道の矢印がある。田んぼの畦道らしい。しばし迷ったが、お店の方の指…