2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

未来の漫画のスタンダード――石黒正数『ネムルバカ』★★★★★

石黒は、画力、物語構成力、言葉の選択、どれをとっても一級品で、いわゆるアーティスティックなコミックを描ける多くのスキルを持っているはずだが、それらをすべてポピュラリティのある「大衆文化」としての漫画へと変換している。発想の独創性という通俗…

お笑いブームなどない

前から気になっていたことを、殊能将之氏が。 http://www001.upp.so-net.ne.jp/mercysnow/LinkDiary/links08031.html あら、「ジャンプ!○○中」は最終回なんだね(3/19放送)。 「逃走中」「密告中」はけっこうおもしろかったから残念。後番組はどうなるんだ…

ぐだぐだ

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凡庸なる非凡――桜場コハル『みなみけ』5巻(限定版)★★★★

「日常系」「脱力系」に入るだろう。背景の省略されたシチュエーションコントとも言えるが、絵が繊細でデフォルメも抑制され、間を多用した他に類を見ない独特な作風となっている。 アニメの方は味があるがいささか散文的なこの漫画をうまく肉づけし、よくキ…

この土日は甥の誕生日祝いのために、兵庫の兄夫婦の家に。 土曜夜はホテルで『UDON』(本広克行監督)を見た。眠い目をこすりながら二時間半の長丁場になんとか耐えた。ストーリーがベタベタな上、主人公の演技のひどいことひどいこと。だいたい香川県の…

凡庸化か成熟か――『ひぐらしのなく頃に解』★★★

萌えホラー『ひぐらしのなく頃に』続編。ゲームを反映したマルチエンディングを超越的な視点から平行世界ととらえ、何とか収束に持っていこうとしている(まだ全部見たわけではないが)。世相を騒がした残虐シーンは今シリーズにはほとんどない。むしろ、演…

カワイイ系+私小説+将棋=???――羽海野チカ『3月のライオン』第1巻★

将棋漫画というだけで期待したのが馬鹿だった。うじうじする主人公。どうも過去に何かあったようだ。じゃあ、将棋いらんやん。 高校生プロ棋士という設定は別に非現実的ではないが、むしろ奨励会員(プロの卵)を題材にした方がよかったのではないか。その方…

最適のPerfume入門盤――『FAN SERVICE~BITTER~ Normal Edition』★★★

遅くなったがこちらも触れておこう。 2007年3月に特別盤として出されたDVDの通常盤。2006年12月21日原宿アストロホールのライブを収録している。 カメラのスイッチングがやたら多いのが難。昔の実験的なribbonのビデオ作品を想い出した。オフシーンを挿入す…