シェフまえだのブログ「『ふしぎなキリスト教』レビュー」をレビューする
シェフまえださんはプロフによれば「クリスチャン」とのこと。
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社会学者橋爪大三郎氏と大澤真幸氏の「キリスト教」についての対談集。今日までに30万部を超えるベストセラーとなり、良くも悪くも賛否両論(特にクリスチャンの社会において)を呼んでいる。読後の率直な感想としては、「あちこち間違いだらけだけれど、読み物としては面白い」であった。
「間違いだらけだが面白い」とはよく見る評価である。たしかに、原理上そういう評価はあり得るだろう。
シェフまえださんの偉いところは、きちんと間違いを具体的に示しているところだ。
聖書の引用箇所にあちこち間違いがあったり、そもそも根本的な箇所で大きく間違っていたり(プロテスタントがカトリックの聖餐にあずかれる等々)、著者固有の妄想が描かれていたり等々
しかし、最終的には「ほとんどの部分は間違っていないか、あるいは間違っていたとしても気にしなくてもいい」と述べたうえに、「この本にケチをつけるクリスチャンの多くは、多分聖書原理主義的な観点から異論を唱えていると想像」と偏見まる出しなのはまことに残念である。
(文責・金田一輝)