2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧
落合仁司ってネストリオス異端じゃね?って言ったので、ネストリオスについて書こうかと『岩波 キリスト教辞典』を紐解いてみて、ちと疑問がわいた。まずその記事を見てみよう。 聖母マリアの呼称を、キリストの神性を強調するアポリナリオス主義を助長する…
純粋形而上学は難解である。万人向けではないからだ。しかし、分かる人には即座に分かる。たとえば、「世界は幻想、ブラフマンこそが現実。汝がそれなり」と聞いて、ぴんとくる人なら、この断片的・直観的に書かれた本書は、フリッチョフ・シュオン著作中、…
落合仁司は『数理神学を学ぶ人のために』で数理神学と形而上学的神学を対比してこう言う。 形而上学的神学は神の愛を否定した。形而上学的神学を代表する一人であるカンタベリーのアンセルムスはこう言う。「苦難に対する共苦の感情にまったく動かされないと…
落合仁司は言う。 数理神学の言語である数学言語は、近代自然神学すなわち近代自然科学の言語でもあるので、それに完敗した伝統的自然神学したがって伝統的組織神学の言語である哲学言語に比べ、遥かに広大な普遍性ときわめて強靭な反証可能性あるいは論証力…
落合仁司は『数理神学を学ぶ人のために』で、これまで偏愛しつづけたパラミズムを捨てて「十字架の神学」を数理神学の看板に掲げたが、実際の所、彼は「十字架の神学」をどうとらえているのか。落合仁司自身の言葉を引こう。 神の受難、神の共苦、神の弱さの…
というわけで、『数理神学を学ぶ人のために』文献リストにたよって、ユルゲン・モルトマン『十字架につけられた神』を入手し、現在読書中。 ちょっと気になった箇所。 神の神性(Gottheit)は、十字架の逆説においてのみ露わになるのである。そのとき、イエ…
ようやく再投稿できるようになったので、文章を改正してアップ成功。 無限集合論は神学に適用できるという発想の下、落合仁司は数々の同工異曲の本を上梓しているが、これはその最新版。 これまで落合仁司は、正教会神学やパラミズムを持ち上げていたが、こ…
数理神学最新版であり数理神学原論とも呼べる『数理神学を学ぶ人のために』を一読して少々不審に思ったことは、『地中海の無限者』以来、あれほど偏愛していたパラミズムがほとんど影を潜めていることだ。軽く触れてはいるが「パラミズムはキリスト教の教義…
無限集合論は神学に適用できるという発想の下、落合仁司は数々の同工異曲の本を上梓しているが、これはその最新版。 これまで正教会神学やパラミズムを持ち上げていた落合仁司だが、なぜかこの書では軽く触れるのみである(文献表には正教会神学者の本は一切…
落合仁司による無限集合論の「パラミズム」、すなわち神の本質と活動の差異への適用は、さらにめちゃくちゃだ。 「神の活動を無限集合とおいてみよう。(・・・) この神の自己の多様な部分、神の活動の多様な部分を、神の活動という無限集合の部分集合と考…
三位一体(三一性)のような神学の命題は、無限集合論を使って表現できる。表現できるばかりでなく証明できる。こうしたアイデアから、落合仁司は「数理神学」の名の下、同工異曲の本を次々に出版した。これはその中の一冊。 一見、論理的、学術的に書かれて…