2007-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ルフェーブルの離教運動からの脱出記――すべての伝統はローマに通ず(1)

Peter Vereの自伝的エッセイ"My Journey out of the Lefebvre Schism --All Tradition Leads to Rome"を紹介する。Vereは一時期聖ピオ十世会のシンパであったがのちに離脱した。その経験と教会法の研究から、聖ピオ十世会の主要な主張を反駁している。当ブロ…

教会なしに救いなし

ごぶさただったDave Armstrongのサイトを探索していて、PHLIP C.L.GRAYの以下の論考を発見。当たり前のように「教会の外に救いなし」と言っているが、そもそも訳し方に問題があるという指摘には虚をつかれた。 Without the Church There Is No Salvation 多…

ルフェーブル大司教の破門と教会法

私は当ブログ記事で、教会法の適用に関しては聖座に優位性があると書いた。 http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20070223/p2いろいろ調査中だが、この私の見解を補強するPeter John Vere(教会法)の論文を紹介しておく。 http://web.archive.org/web/20040…

迫る使徒的勧告

CREDIDMUS CARITATI経由だが、聖伝ミサ自由化の話題。 Pope Benedict did not mention the motu proprio that he is also expected to release in the near future, allowing broader use of the pre-conciliar Latin liturgy. Several Vatican journalists …

典礼問題

ついでなのでCWNから、典礼秘跡省高官Malcom Ranjith大司教のインタビュー記事(2007/02/23)を紹介する。 http://www.cwnews.com/news/viewstory.cfm?recnum=49460 公会議後の典礼改革は、当初期待されていたような霊的で宣教的な刷新の目的を達成できていな…

お役立ち記事リスト

[教会の外に救いなし] 「教会の外に救いなし」――杉本氏の誤謬をただす、「教会の外に救いなし」補足、ルフェーブル大司教による「教会の外に救いなし」、誰が救われるのか、「教会の外に救いなし」入門、「Extra Ecclesiam nulla salus 教会の外に救いなし、…

主治医と相談する

とりあえず、28日にCTを取り、3月1日に再度松山に遠征して、入院の日取りを決める。つまり入院先はこの松山の方の病院になる。 長ければ入院期間は3週間から1ヶ月くらいにはなるとのこと。ともかく先に進め進め。

幕間狂言――エコンにおける司教聖別

「護教の盾」さんのように、こんにち聖ピオ十世会について少しでも肯定的なことを語るのは、大変勇気がいることである。敬服する。 ところで私は現在まで、聖ピオ十世会についてとくに態度を表明したことがない。擁護したこともない。さしあたり私は事実を知…

エキュメニズム批判を病にたとえるひと

(杉本氏の発言は青字で、聖ピオ十世会関連はオレンジで引用する)杉本氏は「随想 吉祥寺の森から」で以下のように書いている。 「エキュメニズムを病に例える人たち」 http://blog.livedoor.jp/mediaterrace/archives/50896553.html かたくなに古代教会以来…

セカンドオピニオンを聞きに行く

松山まで遠征。高速を使って二時間もかからず、予約時間の30分以上前についてしまった。相談時間は約10分だった。 ご意見によれば、「開腹手術」をして、腫瘍を採取して再検査してみれば、とのこと。現在CT上では影として残っているものの、大静脈中の腫瘍…

「教会の外に救いなし」――杉本氏の誤謬をただす

(杉本氏の発言は青字、教会の公式文書は緑字、聖ピオ十世会関係はオレンジで引用する)すでに何度も何度も繰り返し書いたが、いちおう復習の意味もかねて。杉本氏は「随想 吉祥寺の森から」で以下のように書いている。 http://blog.livedoor.jp/mediaterrac…

白血球が下がる

16日の検査で2000を切っていたので、金、土、日と造血剤を打ちに行った。抗癌剤の点滴から白血球の下がる期間が短くなっている。おそらく以後は、薬を入れては造血剤を打ってしのぐことになろう。自分が病人であることを自覚する儀式である。

「英国聖公会の叙階の無効性」について(続続)

(杉本氏の発言は青字で引く)明快な反論があるだろうと期待していたら、早速杉本氏からコメントがあった。 http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/edit?date=20070216 最も重要な点は、バチカンと、ルフェーブルや聖ピオ10世会の人たちとでは、形式上の意味…

新典礼について極私的感想

カトリックのミサについて、経験も知識もない私が何かを言う資格も権利もないことはよくわかっている。したがって、ただ感想を述べておきたい。「手による聖体拝領」最初、それを耳にした時、私は何かの冗談だと思った。次にそれが事実あることを知った時、…

「英国聖公会の叙階の無効性」について(続)

(便宜上、杉本氏の発言は青字、教会の公式文書は緑字、聖ピオ十世会関連の方からはオレンジで引用する) この件についてのおさらい。杉本氏が当ブログコメント欄で以下のように書いたことが発端。 http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20070203/p2 バチカン…

お役立ち記事リスト

[教会の外に救いなし] 「教会の外に救いなし」補足 ルフェーブル大司教による「教会の外に救いなし」 誰が救われるのか 「教会の外に救いなし」入門 「Extra Ecclesiam nulla salus 教会の外に救いなし、再び 教会の外に救いなし 2 教会の外に救いなし 『第…

教皇の不可謬の教導権:5

"The Papacy Lerning Guide"(Catolic Answers)より。 では「不可謬ではない」教えについてはどうか。カトリック信徒はそれらに同意しない自由や、単純に無視する自由があるのだろうか? 答えは否だ。 第二バチカンは明らかに言う、「ローマ教皇の権威ある教…

「英国聖公会の叙階の無効性」について

「みこころネット」経由で、ファチマ・クルセイダーズのカスパー枢機卿に対する批判的記事内の以下のような記述を知ったので紹介しておく。 http://www.fatimaperspectives.com/kw/perspective521.asp By referring to the "possible recognition of Anglica…

教皇の不可謬の教導権:4

"The Papacy Lerning Guide"(Catholic Answers)より。 不可謬権が何であるかは明らかである。不幸なことに、ときおり人々は、不可謬権をそうではないものと混同している。 第一に、不可謬権はしばしば霊感と混同される。聖書は霊感を受けている。なぜなら筆…

副作用に苦しむ

連休中はだるくて食事以外はほとんど寝て過ごした。今日も変らずだるいので、点滴を打ちに行ってきた。まだ少し眠い。 来週火曜日にセカンドオピニオンを聞きに遠征する。

離教にあらず

聖ピオ十世会は、「離教」しておらず、「破門」されてもいないと主張しているが、聖ピオ十世会の小野田神父は、先頃発表された、エクレジア・デイ委員会委員長のカストゥリヨン・オヨス枢機卿による「聖ピオ十世会の司教たち、司祭たち、平信徒たちは離教徒…

私小説にあらず――吾妻ひでお『失踪日記』★★★★

小学生以来の吾妻ひでおファンだが、この評判作は最近ようやく読んだ。浮浪者・下層労働者としての生活やアルコール依存症での入院生活など、私には経験はないが、決して遠い世界だとは思わなかった。私にとってはじゅうぶん身近でリアルである。 モチーフか…

闘病は巡礼に似て

昨日七回目の投与をしてきた。かなりだるかったのでブログも休んだ次第。書くことも調べることも山ほど出てきたので大変だ。 六回目はほとんど効果がなかったが、逆に言えば悪化もしてないのでとりあえず同じ薬を使用。近いうちに他県の病院にセカンドオピニ…

「教会の外に救いなし」補足

(教会公文書は緑字で引用)私はかつて以下のように書いた。 「教会の外に救いなし」 http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20041229/p2 「不可坑的無知の場合のように、暗に含まれた願望」という措辞を見よ。これは、「教会について現に知らないのだが、もし…

英国聖公会の司祭叙階の無効性

(便宜上、杉本氏の発言は青字、教会の公式文書は緑字で引用する) 杉本氏は当ブログコメント欄で以下のように書いている。 http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20070203/p2 バチカンも具体的に何が「不可謬」といえるかについては断定的に定めているわけで…

天使もロックンロールする――木村カエラ『Scratch』★★★★

アイドル気取りのロッカーも、ロッカー気取りのアイドルも、数多い。でも、二つの本性を一つの人格に併せ持つひとってなかなかいないよね。でも、いた。いたんだ! 木村カエラちゃんだ!! http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B000KP63SI/ref=s9_asin_title_1/503…

「不可謬の教義」(de fide)をめぐって

(便宜のため、引用の際、杉本氏の発言は青字、教会の公式文書は緑字で記すことにする)あとになって気づいたのだが、どうも「不可謬権」(不可謬性)について論点がずれてしまっている。 まず、杉本氏が「吉祥寺の森から」で以下のように書いたのが発端。 h…

進展なし

CT検査の結果は可もなく不可もなく。とりあえずあさってに7回目の投薬をする。セカンドオピニオンを聞くことをすすめられた。

教皇の不可謬の教導権:3

"The Papacy Lerning Guide"(Catholic Answers)より。 教皇不可謬権が行使される特別な仕方は第一バチカン公会議(1870年)で定義された。 「それは啓示された聖なるドグマであり、次のようなものである。ローマ教皇は聖座から(ex cathedra)、すなわち全キ…

ルフェーブル大司教の「教皇不可謬権」

杉本(Norihisa)氏は当ブログのコメント欄で以下のように書いた。 http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20070203/p2#c 聖ピオ10世会がこれらの教義を奉ずることがおかしいと申し上げたことは私は一度もありません。ただ、彼らの言うところの「教会」や「不…