2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

二十一世紀の新たな伝統(改)――Frithjof Schuon"The Transcendent Unity of Religions" ★★★★★

改めてAmazon Review用に書き下ろしてみた。 『諸宗教の超越的一致』は、比較宗教学者フリッチョフ・シュオンの処女作にして代表作である。その主張は、簡単にかみくだいて言えば、すべての宗教には「外面」と「内面」があり、外面においては違いはあれど、…

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国道に車の多き大暑かな 一輝 季語「大暑」(夏)

暴かれた『ダ・ヴィンチ・コード』の嘘――Carl E. Olson, Sandra Miesel"The Da Vinci Hoax: Exposing the Errors in The Da Vinci Code" ★★★★

『ダ・ヴィンチ・コード』の根本前提は、ローマ・カトリック教会は、自らのイデオロギーにより、歴史を改変し、事実を隠蔽しているということだ。しかし、実はこの非難は、むしろ『ダ・ヴィンチ・コード』それ自体に当てはまる。作者ブラウンは、自らのイデ…

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向き合って座る小暑の風の中 一輝 季語「小暑」(夏)

モノテイズムの大逆襲――中田考『イスラームのロジック―アッラーフから原理主義まで (講談社選書メチエ) 』★★★

日本人ムスリム学者中田考先生によるイスラム本。類書にない独自のポジションが目を引く。 西洋人(+日本人)は、サイードの指摘するオリエンタリズムに基づき、「異文化」としてイスラームを理解してしまう。しかし、中田が主張するように、イスラームが、…

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亡きがらを一つ確かめ梅雨明ける 一輝 季語「梅雨明ける」(夏)