2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Conceptio Immaculata 無原罪の御宿り:センチメンタルな旅(1)

平均的な日本人に向かって「人間は生まれながらに罪はない」と述べたとしよう。強いて感想を聞くならば、おそらく多くの者は「何言ってんの、当たり前じゃないかそんなの。」と答えることだろう。そうだとすると、マリアが罪なしに生まれた、というのはとり…

Extra Ecclesiam nulla salus 教会の外に救いなし、再び

かつて私は、第二バチカン公会議で「教会の外に救いなし」という教義が廃止され、異教徒も救われるようになったと主張するあるクリスチャンに対する論争のなかで、一方で「第二バチカン公会議においてこの教義は廃止されていない」こと、他方で「教会外での…

教皇不可謬説について

教皇不可謬の教義は、マリアに関する教義と並んで(あるいはそれ以上に)、非カトリックのキリスト教徒により攻撃されている。そこには多くの誤解・無知もあり、それは非カトリックだけでなく、カトリック教徒にまで広がっている。いずれにせよ非常に論争的…

ベネディクト16世 ヨゼフ・ラツィンガー『新ローマ教皇 わが信仰の歩み』★★

近刊のこちらは77年ミュンヘン・フライジングの司教になるまでの自伝。ナチスの台頭、戦後の混乱、第二バチカン公会議前後のどたばたなど、まさに激動の時代を生きてきたわけだ。時代の流れに、そして大学政治、教会政治に揉まれてきたことがわかる。司教に…

Joseph Cardinal Ratzinger with Vittorio Messori "THE RATZINGER REPORT"★★★

現ローマ教皇ベネディクトゥス16世が教理省長官だった頃のインタビュー集。インタビュー集と言っても日本でよくある、あほな質問にだらだら答える式ではなく、しっかりテーマ別に編集されていて内容は多岐に渡り、密度は濃い。 一読の印象は「オーソドックス…

退院しました

低すぎる朝の体温水澄めり 一輝 使わざる階段あまた末枯るる 小春日に点滴連れて厠へと 娑婆に出て背伸びしてみる冬の空 昨日の血液検査の結果白血球が増加傾向にあるということで、本日退院いたしました。完治しているわけではないので、以後は通院治療とい…

携帯より

生まれ来る前の淋しさ林檎食む 一輝 病院は待つこと多し秋桜 わたくしもたしかにけものなる残暑 副作用による白血球の減少、肝機能の悪化等あるものの、体調は悪くないです。手の指先の痺れはやや緩和しましたが、まだ残ってはいます。 とりあえず来週月曜の…

携帯より

肉塊に暗きトンネル冬隣 一輝 点滴の落ちては光る月の夜 かゆけれど毛のなき頭きりぎりす 2回目の薬の投与から数日、若干のだるさと食欲減退がありますが、前よりは軽いです。ただ、手の指先の痺れは少し強くなってます。とりあえず、ビタミン剤を処方して…

携帯より近況

もう少し生きていいよとみみず鳴く 一輝 絆創膏のいつしかとれていて子規忌 髪落ちて僧とはならず秋の暮 昨日CTの検査があり、経過は良好とわかりました。薬がよく効いたようです。明日の2回目の投与では薬の量を増やすとのこと。 実は副作用で手の指先がず…

一時帰宅

銀漢の落ちよ抗癌剤投与 一輝 耳たぶは流刑地に似て稲光 看護師のため口に慣れ秋の風 外泊を許されたので自宅に帰ってます。ちょうど白血球が減少しつつある時期なので、感染症などには注意せねばなりませんが。今日夜には病院に戻ります。 9月15日に緊急入…