2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

絲山秋子『逃亡くそたわけ』★★★

精神病院から抜け出した男女の九州縦断逃亡記。ようはロード小説。こういうの好きだが、分量的にものたりなかった。 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4120036146/qid%3D1114744069/250-4746049-7581849

相対主義批判とか

たまたま長尾龍一『ケルゼン研究Ⅰ』をひもとくと、最初の方に以下のような文章が目に入り、これこそ私が言いたかったことだと膝を打った。 長尾はケルゼン式の不可知論的相対主義に基づく自由主義・民主主義的価値を信奉していた、としたうえで、最近になっ…

教皇不可謬権

教皇不可謬における問題点というか、争点は、約すれば昨日挙げた公文書の中の以下の部分になるだろう。 such definitions of the Roman pontiff are of themselves, and not by the consent of the church, irreformable. つまり、公会議における司教らの同…

誕生日

どうということはないが、今日で37歳となりました。 俳朋トップhttp://kanedaitsuki.hp.infoseek.co.jpで、次のような句を詠んでます。ふつつかな男ですけど誕生日 一輝

教皇不可謬の教義

あんとに庵さんが「備忘録」http://d.hatena.ne.jp/antonian/20050426/で、教皇のすべての公式の文書は「不可謬」であるとお書きになっているが、はてそうだったのか? 私の記憶のかぎりでは、「教皇不可謬」とは、教皇のすべての公式の文書、公式の発言が不…

真理を主張すること

あんとに庵さんのブログ「備忘録」http://d.hatena.ne.jp/antonian/20050422/経由で知った「玉響のコロッセオ」というユリアヌスさんのブログの文章が目を引いた。カトリックの新教皇に選ばれたラッティンガー起草の『ドミヌス・イエズス』を取り上げて、そ…

絲山秋子『海の仙人』★★

宝くじが当たって敦賀で悠々自適に暮らす主人公とキャリアウーマンとの淡い出会いと別れを描いた作品。「ファンタジー」という謎の存在がでてくるが、いまひとつ存在意義を感じない(もちろんそういう風に描かれているのだが)。もう少し枚数を増やしてじっ…

また鬱がつづいている。まとまった時間がない。頭のなかがぐちゃぐちゃなままだ。

『エヴァとステファンとすてきな家族』★★★

DVD

スウェーデンの映画。夫の暴力から逃れて家を出た母エリザベートに連れられ、エヴァとステファンは、叔父とともに奇妙な住人との共同生活をはじめる。はじめは住人らをうとんじてた二人だが、次第にその生活に慣れてきて、そして・・。 この手の、ひとくせあ…

絲山秋子『イッツ・オンリー・トーク』★★★★

デビュー作となる表題作は、売れない絵描きの女性の一風変わってはいるがテンションの低い普通の生活を描くオフビート小説。全体にまとまりがなく、たしかにそれがこの作品の味なのだが、たんなる散漫一歩手前とも思う。 もうひとつ収録されている「第七障害…

反日デモ

ここ最近この話題でもちきりですが、あんまり興味がわかない。中韓がろくでもない国だということがわかってけっこうなことだとは思うが。 中国の反日現象(不買運動や民間人への暴力)、戦前の状況に非常に似ている。日本人の多くは、日本が侵略したから各地…

柳沼行『ふたつのスピカ』1〜7巻★★★★

宇宙飛行士を目指す少女アスミのビルドゥングスロマンス。設定は近未来SF+ファンタジーだが、絵柄や話運びは一昔前の下町を舞台にした叙情的物語を思わせる。あるいは絵本作家のような感性といおうか。 毎巻ラストに入っている作者本人の話は、なまなましく…

好きな句

水の地球すこしはなれて春の月 正木ゆう子まず宇宙に飛び出して地球と月の並ぶ光景が見えるが、「春の」という措辞で地上の現実に引き戻される。してみると、「すこしはなれて」は物理的な距離なのではなく、感覚的な(男と女のそれのような)ものだとわかる…

チェス本

洋もの(笑)をひもといて驚くのは、一局におけるそれぞれの局面での膨大な変化が羅列されていること。圧倒される。実際に出現した手順の底に、こうしたさまざまな変化の潜んでいるところに、ソシュールの創始した構造言語学との類似性なんかを、いとうせい…

絲山秋子『袋小路の男』★★★★★

純文学系の作品は辛めにつけてますが、この短編集はイイです。惚れたね。 3編収録。最初の2編は、一風かわった純愛小説。大の大人が手を触れることもないつきあいをつづけてるのだが、ぜんぜん違和感がない。テイストは『蹴りたい背中』に似ているかな。 …

いとうせいこう

いとうせいこうがチェスをしている、というのは知っていたが、こんなブログをやってた。 http://blog.drecom.jp/seikoito 現在デュシャンのチェス本の翻訳をコメントつきでしている。すごいマニアックっぷりで驚いた。 最近私もチェスの洋書を買い始めた。邦…