絲山秋子『袋小路の男』★★★★★

純文学系の作品は辛めにつけてますが、この短編集はイイです。惚れたね。
3編収録。最初の2編は、一風かわった純愛小説。大の大人が手を触れることもないつきあいをつづけてるのだが、ぜんぜん違和感がない。テイストは『蹴りたい背中』に似ているかな。
ラストにおさめられている1編は、天文学にくわしい叔父と姪との交流を描いた話。叔父がメールはできないというので手紙を交換しあうのだが、郵便というものがもつ「タイムラグ」がなかなか意味深なのだ。心洗われる秀作です。
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