古き良きキリスト教入門書――C・S・ルイス『キリスト教の精髄』★★★★★

 何かいい日本語で読める入門書ってあったっけ、と考えて思い至ったのがこれ。

 『ナルニア国物語』などのファンタジー作家として有名なC・S・ルイスは、アングリカン・チャーチの信徒でもあり、数々のキリスト教護教書も出版している。この本はその中でも最も世評の高い著作である。
 平明でありながら、キリスト教の核心を読むものにしっかり伝えており、キリスト教、とくにその教義について真剣に学びたい人にとって、価値ある一冊だ。
 個人的なことを述べれば、大学時代、岩下壮一『カトリックの信仰』と並んで、私をキリスト教思想へ引きずり込んだ書でもある。

 デーヴ・アームストロングがリスペクトしている三人の内の一人もルイス(他二人はチェスタートンとヘンリー・ニューマン卿)。