読んだ本

兵頭二十八別宮暖朗大東亜戦争の謎を解く――第二次大戦の基礎知識・常識』、兵頭二十八別宮暖朗『技術戦としての第二次大戦』、別宮暖朗『旅順攻防戦の真実――乃木司令部は無能ではなかった』、金完燮親日派のための弁明』など。
最初の二冊はいろいろ考えさせられる、というかどう考えても軍事技術などについては勉強不足の分野。兵頭氏の、「日中戦争」では日本は被害者、「対英米戦」では日本は加害者という主張は、「常識」の逆をいっていてそれだけでインパクトがある。しかし、後者はパリ不戦条約(1928年)にのみ基づいており、これってパル判事によって否定されているのでは、と思うのだが・・。三冊目は司馬史観解体本とでも言えましょうか。実は乃木無能説は日露戦直後から出てくるのだが、それがどうも陰謀くさい。別宮は具体的な戦史をひもときつつ、丁寧に反論していく。当時の帝国陸軍は必ずしも「白兵戦(銃剣突撃)主義」ではないし、「技術を軽視していた」わけでもないことがわかる。四冊目は単行本時に読んだものの再読。ちょっと日本擁護しすぎで、ところどころおかしな記述も見られる。文献目録がないのはかなり致命的。韓国人が書いたものでは呉善花さんの同種のものが読めるし、そちらの方が優れている。