宗教
私たちがすでに述べたように、瞑想的祈りにはある次元があって、その内容は原理の絶対的現実であり、したがって、それと相補的なものとして、原理の顕れである、世界の非現実もしくはより小なる現実である。 しかし、「ブラフマンこそ真なる現実、世界は見か…
動画にもある通り、シュオンは「祈り」の重要性を説いている。 祈りは、何かを実現してもらうための願いなのではなく、絶対的なものと相対的なもの、永遠なるものと仮初のものとをつなぐ媒介である。 人間は、動物の地位に落ちないために、少なくとも儀礼的…
シュオンを読むようになって、陰陽図が大好きになった。 シンプルかつダイナミック。ゼロポイントからの世界の生成をよくあらわしている象徴である。 The Transfiguration of Man
COTORICH「ふくざつ」 http://cotorich.jugem.jp/?eid=80
シュオンの思考においては、諸宗教において「理性」と「信仰」の間に線が引かれる所を、むしろ「信仰」(faith)と「叡智」(gnosis)の間に線が引かれる。いわゆる諸宗教の、exotericな面とesotericな面との間にである。 信仰の世界において、少なくとも見…
「世界はマーヤーである」とは、ヒンドゥー教の根本思想である。マーヤー(maya)とは、「幻影(illusion)」「見せかけ(appearance)」等を意味する。表題は、リチャード・ドーキンス『神は妄想である』をもじってみた。もちろん、両者は真反対の主張であ…
Frithjof Schuon Film Clips
いつの間にやら蔵書が増えてきたので、とりあえず入門編として作成してみた。 「フリッチョフ・シュオンの著作」
改めてAmazon Review用に書き下ろしてみた。 『諸宗教の超越的一致』は、比較宗教学者フリッチョフ・シュオンの処女作にして代表作である。その主張は、簡単にかみくだいて言えば、すべての宗教には「外面」と「内面」があり、外面においては違いはあれど、…
『デリダと否定神学』とかは知ってたが。高いので、買うのはペーパーバック出てからだな。 Sufism and Deconstruction: A Comparative Study of Derrida and Ibn 'Arabi (Routledge Studies in Religion)
神秘主義は一般に現実逃避と思われている。人里離れた場所で、静かに瞑想して過ごすというイメージだ。しかし、私ははやくから「神秘主義こそ真のリアリズム」という命題を信じていた。哲学史上では、イデアリズム(理想主義)とリアリズム(現実主義)は対…
面白い本ではある。が、トンデモ本スレスレなのがどうしたもんか。 家族、社会、自己(アイデンティティ)を超えた第四の帰属先、それを指し示すキイワードが「サイファ」。社会に回収されない「端的なもの」「世界の根源的非規定性」を指示している。おおざ…
イスラームに心が傾きはじめたことがきっかけで、この比較宗教学者フリッチョフ・シュオンの初期代表作にも手を伸ばした。完読していないので評価はつけない。 簡単に言えば、どの宗教も顕教的(エキゾテリックな)側面と密教的(エソテリックな)側面があり…
ユダヤ教にはじまる一神教は神の愛をとなえているだけでなく、その裏で非信者に対する憎悪を無意識に刷り込んでいる、という論旨。これ自体はニーチェを出すまでもなくよくある話でめずらしくもなんともないが、かの定方氏がこんな本を書いていると知って少…
比較的めずらしい、「生まれかわり」思想に対する批判本。ただしく言うなら、思想そのものというよりも、その擬似科学性への批判である。欧米でもニューエージャーの駘蕩にともない、生まれ変わり思想が一定の影響力を持っているということなのだろう。 著者…