『世界の王』レビューのつづき

 1月12日記事『世界の王』レビューで、ゲノンはハードSFとしても読める、と書いた。
http://d.hatena.ne.jp/kanedaitsuki/20100112
 たまたまRobin Waterfield"RENE GUENON and the Future of the West"を読んでいたら、エリアーデの次のような発言に出会った。

ゲノンや他の「ヘルメス主義者」の言う伝統は歴史的現実としては理解できない。それらは詩や小説のようなもので、マルクス主義者やフロイト主義者の「説明」と同様だ。想像上の宇宙のことだと考えるならば、真実である。その「証拠」は乏しく不確かであり、それらは小説や詩における、歴史的、社会的、心理学的「諸現実」に対応している。
ibid.,pp.50-51

 さすがエリアーデ先生、心が広い!!
 もちろん著者Robin Waterfieldは「ゲノンをマルクスフロイトと一緒にすんな!」とお怒りであるが。