「世界の王」という象徴をめぐって――Rene Guenon"The King of the World"★★★

「アガルタ王国」というオカルト的題材によりながら、いつものゲノン節で、世界の伝統宗教に共通して見られる「世界の王」という象徴の深い意義を探求している。まさにオカルトに精通した象徴学者ルネ・ゲノンの真骨頂と言ったところであろうか。
 内容が内容だけに正当な評価はなかなか難しいかも知れないが、ある種のハードSFとして読んでも、十分エキサイティングな本である。
 邦訳(『世界の王』平河出版社)あり。