James Likoudis, Kenneth D. Whitehead "The Pope, the Council, and the Mass: Answers to Questions the "Traditionalists" Have Asked"

kanedaitsuki2007-05-09


帰宅したところ届いていたので未読だが、紹介だけ。この本はいずれ折を見て訳す予定。

いわゆる「伝統主義者」による第二バチカン公会議後の改革に対する批判を、FAQ方式で25の設問に章分けして論じた書。以前紹介した"More Catholic than the Pope"に比べて、一つ一つがかなり詳しく、分量もそこそこある。1981年に初版が出されたものの改版である。

章題を引いて見ると、たとえばこんな感じである。

問五「たとえ新ミサをトリエント・ミサにとって変える権威が教皇パウロ六世にあることを認めたとしても、にもかかわらず、この変化を成すにあたっての固有の教会法的形式に教皇が従っていないことは真実ではないか? それゆえ、トリエント・ミサをあげることはなお合法ではないのか?」

問十三「ミサそれ自身のテキストの、特定の用語、定文、その諸部分がどうであれ、「新ローマ・ミサの一般的導入」において公表されたミサの定義は、私たちがこの新ミサによって、プロテスタント化されたミサに確かに直面していることを証明しているのではないか?」


問十九「なぜ教会はモダニストリベラリストにはあんなに寛容であったのに、トリエント・ミサにこだわるマルセル・ルフェーブル大司教やその他の人々に対してはこんなに過酷なのか?」


問二十二「一般公会議と同様、ある教皇は、他の教皇であるホノリウス1世の行為を一度非難してはいないか? これが意味するのは、教皇パウロ六世がいつか同じ仕方で、ミサをあえて変えたことでもって非難される可能性が少なくともあるということではないか?」

これだけでも共著者たちが、いかに「伝統主義者」の主張をよく検討したかがわかる。伝統主義に惹かれており、かつ「教会に答えはあるのだろうか」と疑問を抱いているひとは、とりあえずこの本を手に取ってみてはどうだろうか。

http://www.amazon.co.jp/Pope-Council-Mass-Questions-Traditionalists/dp/1931018340/ref=sr_1_1/503-5734487-5319958?ie=UTF8&s=english-books&qid=1178701806&sr=1-1