タイムリーな小品――小林よしのり『いわゆるA級戦犯』★★

kanedaitsuki2006-07-26

東京裁判が事後法による一方的なものであること、「A級」が罪の重さに関係しないこと、など基本的な事項を抑えつつ、東條や重光などの個人をピックアップして事績を詳述した小著。残念ながらそれほど目新しいことが書かれているわけではない。また、全体に『戦争論』にあったような、敵をも折伏するかのごときおどろおどろしいパワーが感じられない。眼の手術直後の執筆ゆえなのかも知れないが。
一時期リアルタイムにゴー宣を読んでいたが、『戦争論2』『戦争論3』あたりから次第に離れていった。よい仕事だとは思うが、再接近する可能性はなさそうである。
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