「易姓革命」ということ

Gedolさんが以下のように書いていた。
http://d.hatena.ne.jp/Gedol/20051127/1133062775

皇統が愛子ちゃんのダンナの姓に変わる?
少なくとも有識者会議の結論がそのまま通った場合、コレはありません。何故なら、ダンナは皇族になるので国内的には姓を失う事になり、天皇の姓は相変わらず「無姓」のままです。これは所謂入り婿と同じなので当然と言えば当然ですが。

これはいわゆる「女系天皇容認」は「易姓革命」であるとする男系維持派の言をからかっておられるのであろうが、もちろん実際に愛子内親王殿下の皇配の姓が公式に宣明されるとは誰も思っていない。どうも、他の記事(http://d.hatena.ne.jp/Gedol/20051123/)をも含めて、Gedolという方はものごとを「唯名論」的に考え過ぎているように思う。「易姓革命」とは君主の一統が別の一統に変わることを指して使っているので、だから「王朝交代」と言っても別にかまわない。本来の「易姓革命」という言葉に含まれているニュアンスが減じてしまってはいるが、下に引いた『神皇正統記』でもこの観念が背景にあるし、私の記憶の限りでは吉田松陰も同様のことを言っている。
たとえば私の子供が、恐れ多くも愛子内親王殿下の皇配となり、その子供(つまり私の孫)が天皇に即位すれば、これまでの歴史からすれば「金田王朝」と臣民には観念されるわけだ。問題は一片の法律がどう定義しているかという話ではない。天皇といい、皇統といい、皇位継承といっても、これらは憲法以前、法律以前から連綿と存在していたわけで、われわれはその事実から決して自由であるわけではない。
易姓革命」とは、「女系天皇容認」において、皇位が別の血統へ移行するという事実をとくに強調するべく、実際に法律なり公式の政府発表など明文上で姓が変更されるか否かということとは関係なく使用されている用語なのである。
ただし、Gedolさんが思っているように、これから未来、愛子内親王殿下の子供が天皇になった時には、「天皇」という名がこれまでとは別のものを指している可能性は確かにある。その場合「皇統」の意味も「皇位継承」の意味も変化していよう。しかし、現時点で「女系天皇」が誕生すれば、それは「易姓革命」であり、もはや「天皇」とはいえない、というのは歴史的にいってまったく正しい。この感覚は、コメント欄でrice_showerさんが引いているある若い女性の言葉「デザインは同じでもロゴが違う」という感じなのである。