グースさんに聞いてみよう!:「大東亜戦争」という呼称

大東亜戦争」という呼称について思い悩んでしまったので、私がかねてから尊敬し、影ならが応援してきた方、ネット上で広範な国際法的知識を駆使し、鋼鉄のごとき論理的文章によって「南京大虐殺」否定の論陣を張ってきたグースさんに質問をぶつけてみた。
以下グースさんの回答。
http://sky.ap.teacup.com/deep/37.html

投稿者:グース2005/11/19 23:56
>金田一輝さん
大東亜戦争」の呼称問題は、研究者によって見解が分かれるかもしれません。
その上で私の見解です。

 一応、法的には1941年以降の戦争が「大東亜戦争」になります。
 1937年の支那事変は、日中両国とも宣戦布告をしておらず、アメリカその他の国家も、国際法上の「戦争ではない」状態として認識していました(なので中立国というのが存在しなかった)。これを遡って、「国際法上の戦争」としても意味がないんですね。
 開戦直後の決定で「シナ事変も含む」というのは、中国にはこれまで宣戦布告をしていないし、新たに宣戦布告もしないが、今後は「国際法上の戦争」として扱うという意味になります。

 ただし、実態としては1937年以降の支那事変も「戦争」であり、東京裁判でも管轄の範囲とされていますから、歴史的な用語として広義に「大東亜戦争」に含むという見解もあるのかもしれません。というより、歴史家は国際法の知識がない方が多いので、そういう用法で書かれた書籍も多いと思います。

グースさんの見解では、閣議決定における「シナ事変を含む」はやはり、1941年以降のシナでの戦争を含む、という意味になる。なぜならば、法的には、「遡って、「国際法上の戦争」としても意味がない」から(これは私が当ブログのコメント欄で述べたことと同様)。
ただ、一定の層のうちに「1937年説」を唱えるひと、そういう記述をされるひとがいる限りは、犬儒派さんが述べられるように「許容範囲」とはすべきでしょう。その点で吉祥寺宮杉本殿下が1940年を「大東亜戦争のまっただ中」としたのも許容いたします(まあ、私は単に殿下が勘違いなされていたのだろうと推測はしてますが)。
ただ、はてなワードのように「1931年満州事変から」とするのは、ソースも明確ではなく、明らかな誤用ではないかと考えますが。