2006-04-06から1日間の記事一覧

アンナ・カヴァン『氷』★★★★★

氷に覆われ終末を迎えつつある世界のなかで、幻の少女を追い求める男の放浪を描く伝説の作家カヴァンの遺作。主人公や少女に名前がなく、カリスマ的リーダーも「長官」と符牒でしか呼ばれていない。カフカ的な寓意に満ちた作品だ。滅亡は不可避なのに、妙な…