時代ものラノベ?――エリス ピーターズ『聖女の遺骨求む ―修道士カドフェルシリーズ(1)』★★★
中世イギリスの修道士を主人公とした時代ミステリ。それぞれのキャラも立っているし、オチのつけ方もうまく設定を活かしている。宗教者がかかわっているが、勧善懲悪でなく、変な説教くささのないのも美徳。ただ、ディープな哲学的問題が取り上げられるわけでもなく、文体やストーリーもやや淡白な印象を受けた。が、おそらくそれは私が現代ミステリに毒されてしまっているからだろう。
1冊だけでは正当な評価はできないので、続けて読もうと思うが、どうも翻訳には若干問題があるらしい。とはいえ、小説で邦訳されているものをわざわざ原書で読むのは何とも。