森博嗣お前もか――森博嗣『τになるまで待って 』★★

kanedaitsuki2008-09-10

Gシリーズ3作目。外部と断絶した館もの。こういうベタなシチュエーション、以前にもあったかも知れないが、忘れた。
シリーズをまたがって暗示される闇の巨大組織の存在があって、ストーリー中の謎のすべてが解決するわけではないのは森作品の常道ではあるが、とりあえずは1作を独立して読めたはずである。しかし、今作は違った。密室トリック以外はほったらかし。もちろん某B級アニメ監督みたいに単なる空手形を切ったわけではないだろうが、これはいくらなんでも消化不良だろう。今シリーズ準探偵役のはずの海月君の扱いも不満。
シリーズ外作品にはたまにどうしようもない駄作があるが、シリーズ系には期待しているだけに残念。

τになるまで待って (講談社文庫 も 28-36)