NHK杯 井上慶太八段―山崎隆之七段戦

山崎の趣向により四手目7七桂から、相居飛車に。しかし作戦通り(?)の作戦負けで山崎劣勢。ところが決めにいったつもりの奇手5五銀を堂々と同金と取り、端に玉を吊り上げての9九角という勝負手を放ち、形勢混沌。その後あっという間に井上玉を寄せてしまった。それにしても形勢の悪い局面をひっくり返していく山崎の指し回しはまるで真剣士である。見かけは女の子のような線の細い青年なのだが。研究全盛の時代、こういうタイプの棋士は貴重。ぜひA級やタイトル戦で活躍してほしい。