NHKスペシャル『100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者 失踪の謎〜』

昨日本当にたまたま視聴(夜10時NHK総合)。ポアンカレ予想の話だが、解決していたことすら知らなんだ。
この問題を解決したロシアの数学者グリゴリ・ペレリマンは、その功績に対して贈られたフィールズ賞を、賞金とともに辞退したばかりか、その後失踪してしまい、いまだに失踪の理由は分かっていないらしい。私は即座に、同じ数学者のグロタンディーク(隠遁中)、元チェス世界チャンピオンのフィッシャーなど、孤高の天才を想起した。ペレリマンの顎鬚をたくわえた姿は、あたかも正教会の修道僧のようにも見える。
ポアンカレ予想は、ポアンカレが創始した位相幾何学上の難問とされていたが、最終的には、それとライバル関係(?)にある微分幾何学を利用して解いたらしい。こういう回り道して解かれるというのはままあることで、「フェルマーの定理」もそうだった。位相幾何学の専門家が一様に、当初証明を理解できなかったというのは皮肉というか何というか。
しかし、こうも解決がつづくと、私が生きている間に、ほかにも何個か解けるのではないかとわくわくしてしまう。老後の愉しみがまた増えた。

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