浦賀和宏『火事と密室と、雨男の物語』★★

松浦純菜・八木剛士シリーズ第二段。連続放火事件と密室状態で死んだ女子高生の謎を追う。ミステリとしてはかなり淡白。事件の中心に不思議な力を有した引きこもり少年が出てくる。そのいじめられっぷり、引きこもりっぷりは、ディティールはともかく生々しくリアルだが、とくに共感できるわけでもなく、共感を強いているようにも見えない。そうなると松浦のはしゃっぎぷりが痛いのだが、それはそういうもんなのではあろう。ここで描かれた「暗い青春」は、決して暗くない。

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