おたく青春漫画の金字塔――木尾士目『げんしけん』1〜3巻★★★★★

おたく世界の中でもはみ出しているひとたちを描く。彼らのサークル名「現代視覚文化研究会」は、ゆうきまさみ『究極超人あ〜る』の「光画部」を思わせるいかにもなネーミングだ。おたく青春漫画といえるが、たまたまおたくである者における青春という意味でではなく、まさしくおたくの青春をモチーフにしているという意味でだ。エロゲーや同人誌なども躊躇なく取り上げられている。
絵の上手さ、特に表情の描き方は特筆されるべきところだろう。基本は劇画タッチだが、随所に出てくるアニメ絵やフィギア、プラモデルなどの描写にはじゅうぶんその手の匂いが残る。おたく的にもリアルだ。
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