兵頭二十八『軍学考』★★★

kanedaitsuki2005-10-29

他の著作のようにテーマを狭く限定して論じるでなく、あれこれと話題がとび、書き下ろしながらどちらかというとアンソロジーに近い。いつもの通り、「常識」に反する兵頭流正論が語られているが、卓見とは思えても、あまりに専門的すぎてその是非がよくわからない。たとえば航空機の航続距離が飛躍的に伸びたから必ずしも沖縄基地に固執する必要はない、というのはなるほどと思えるのだが、本当に軍事的にただしい見解なのかどうか私には判断できない。
また文章も決して読みやすいとはいえない。個人的にはこの著者の場合、コラムくらいの分量が一番読みやすく、そういうものをまとめたものが欲しいのだが、本人が雑誌掲載の文章は本にしない、と宣言しているのでそういうわけにもいかないのが難儀なところだ。
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