9条

前回分の記事でみなさまおわかりの通り、私はものごころついたころから右寄りでした(笑
いまでこそ保守系の言説は(特にネット上で)市民権を得ているが、私の大学生大学院生時代、「9条は改正すべきだ」などといおうものなら白い目で見られるのが当たり前だった。
若い頃の私の周囲は左巻きばかりで、しかも単なるサヨクではなく、極左(!)だったりしたものだから、レーニンやらグラムシやらも読みましたよ。マルクスもちょこっとだけ。もちろんアルチュセールも。恥ずかしながら一時期吉本隆明にはまっていたこともある。このひとの出鱈目さと著しい論理の欠如に気づき、引越しを機会に所持していたほぼすべての本を捨てたけど。
とはいえ、私自身は実際には、自分が右寄りか左寄りか、革新か保守かなどという分類には興味がなく、自分が正しいと信じることを語っているだけだと思っている。たとえば9条についていえば、論理的にいって事実と条文が食い違っており、この矛盾をとくには自衛隊を全廃するか9条を改正するしかない。現在の国際情勢を見るに、軍隊をまったく持たないという選択は非現実的であるから持つよりない。ならば9条を改正するしかない。これはまったく論理的な思考の道筋と思える。
たしかに、9条のとくところをくそまじめに受け取り、軍隊を廃することもじゅうぶん論理的ではある。しかし、それは国民に対し、他国の侵攻の際には無抵抗でいろと命じるようなもので、これは国家の指導者の立場からすればはなはだ無責任な選択だといえる。それゆえ、戦後の政府が、事実上の常備軍を持ちながら、解釈によって「合憲」としてきたのは、やむをえからざることなのだ。しかし、9条改正(少なくとも2項の削除)する方がすっきりするのは間違いない。