私はいかにしてチェス教徒となったか?

chess項目が続くのでぼつぼつ私語りをしたいと思う。
現在chessにのめりこめるようになったのは、ネット環境のおかげだ。第一に、ネット対局ができるため対局相手を探すのに困らなくなったこと、第二に洋書の購入が楽になったことで、適切なchess本を入手できるようになったこと、この二点が大きい。
chessに興味が出てきたのはすでに幼少時代だが、本などを集め始めたのは、私が精神的危機に陥っていた(笑)20代後半あたりだったと思う。もちろん当時は邦書オンリーで、邦書の数は少ないからあまり集めがいはなかった。実戦をしようにも、周囲に相手がおらず、代わりにと思って関西将棋会館に通うようになった。
将棋は小学から中学の頃かなりやったが、プロを目指さない野球少年程度のもんだったと思う。それでも少ない小遣いから毎月『将棋世界』を買ってはいた。新聞の将棋欄の切り抜きもしていた(これ、力をつけるには絶好の方法だと思う。というのも、新聞将棋欄では、毎回短い手数しか載せず、その詳しい解説を読むことは非常にためになる)。対戦をする友人もいたので、そこそこ実戦はつんでいたといえる。
関西将棋会館では、ほぼン十年ぶりの本格的な実戦だったが、最初10級からはじめて、瞬く間に3級まで進み、いちおう1級まではいった(初段の一歩手前)。
その後、諸般の事情で実戦は少なくなったが、将棋の本は買い続け、棋譜を並べて楽しんでいた。
精神的危機にあった私にとって将棋は、「駆け込み寺」みたいなものだった。現実逃避をすることで、精神のバランスを保っていたのだ。いまそれは将棋からチェスに変わっている(もともと将棋は、私にとってはチェスの代理だったのだ)。
しかし、大阪から香川に移住する機会に、今後はchessを極める思いを込めて、集めた将棋の本(100冊以上)はほぼすべて捨てた。いま考えると少々もったいなかった(将棋関係の本はすぐ絶版になる。ゆえにファンにとっては貴重)が、やはり手元にあると並べてしまったりして時間を費やすだろうから、この選択は正解だったのだろう。