畑村洋太郎『直観でわかる数学』★★

数学嫌いのひと向け、というよりは数学について「苦手だが興味がある」ひと向け、といったところで、狙いはいい。しかし、教条主義を嫌うあまり、教条主義という教条主義におちいることはおうおうにしてあるものだが、この本にも若干そういう匂いを感じた。学校の数学教育への提言も首をかしげるところがなきにしもあらず。ただ、微分積分基本法則を教えろ、とか、微分方程式のほとんどは解けないことを教えろ等々、同意できる点もある。ともかく作者の熱意はわかるが、少々空回りで、うまくこなれていない感じ。別のプロデュース役のひとがいれば、もっといい本になったと思う。1800円でこの内容は高い。ブルーバックスとか現代新書で出すべきであった。
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