NHK杯中井広恵女流王位・倉敷藤花×佐藤秀司六段戦

殊能将之さんの日記
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から。

午前10時すぎに目が覚めてしまったものだから、ふとテレビをつけたら、NHK杯将棋トーナメント(7/4放送)は中井広恵女流王位倉敷藤花×佐藤秀司六段戦だった。なんとなく見はじめたら、あまりのすごさに眠気が吹きとび、完全視聴しちゃったよ。

 後手の佐藤秀司は角換わり四間飛車という奇襲戦法を選択(わたしは初めて見た。こんな戦法あるんだねえ)。しかも囲いは穴熊だ。中井広恵の去年のNHK杯での大活躍(男性棋士相手に2勝)があるから、「絶対負けるわけにはいかない」というわけ。

 この作戦が功を奏し、最初は後手優勢だったが、次第に先手もポイントを詰めてくる。終盤戦は「素手で殴りあって気絶したほうが負け」みたいな壮絶なねじりあい&粘りあい。で、中井広恵が勝った。

 いやー、これはもう「女流棋士大躍進」なんてレベルじゃないよ。マジで強い。次回戦の相手は佐藤康光棋聖だぜ。

囲碁に比べて将棋の女流は残念ながら強くない。どうも将棋界はいまだに男性中心社会で、女性を単なるいろどりとしてとらえる傾向があるようだ(これは女流棋士高橋和も以前どこかで言っていたはず)。強くするために対局料をあげろ、と私は前から思っているのだが。金の話をすると鼻白むひともいるかも知れないが、現実問題どんなスポーツでもファイトマネーがあがれば、それだけ優秀な人材が集まるし、選手らの努力も増す。女流に金が流れないというのは、将棋界の構造的問題だろう。
そういうことを踏まえたうえで、中井女流の活躍は見事。佐藤康光先生も倒してください。