仏作って魂入れず――本広克行監督『サマータイムマシーンブルース』★★

kanedaitsuki2008-01-11

私の在住地出身監督による、在住地周辺を舞台にした映画。映像は、実景なのに人工的に見え、非常に美しい。
ストーリーはタイトル通り、SF仕立ての時間旅行もの。SF研究会部室のクーラーのリモコンが壊れてしまい、たまたま見つけたタイムマシーンに乗って、一日前に戻り、壊れる前のリモコンを取りに行くという、馬鹿馬鹿しい設定であり、一種のシチュエーションコントになっている。
非常に面白かったが、「映画」として考えると、内容が物足りない。テレビで一話完結で作っても同等のものができそうだ(多少設定を変えれば、「こち亀」とかでありそう)。未来人がからんだり、ちょっとした恋話を入れて、プラスアルファを加える努力をしているが、底の浅さはいかんともしがたい。キャラはよく立っているが、内面的な深みを感じさせない。かといって、映像だけで押す程の圧倒感もない。
こういう言い方は非常に傲慢ではあるが、何か素人が一生懸命作ったような映画であった。

サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格)