刑事がタンクでやってくる――R.D.Wingfield "Winter Frost"★★★★
フロスト警部シリーズ第五弾。
売春婦連続殺人に幼児誘拐。英国には変態が犇いている。
フロストの傍若無人ぶりは今回も健在。やりたい放題の出鱈目捜査や取り調べを繰り返し、あげくの果ては大失態を演ずることになる。しかし、それに輪をかけてひどいのが新配属されたモーガン刑事。やることなすことすべて裏目裏目で、笑うに笑えないドジっぷりを発揮。しかもフロストに負けず劣らずド助平なのだから大変だ。まったく腐女子ならぬ婦女子にはお勧めできない作品である。それでも、この駄目刑事をやめさせた方がいいのではと発言する同僚に、「俺も駄目駄目だ。だが、こうしてまだここで仕事をしている」とかばうフロストはなかなかの男前である。
ちなみに、この珍コンビの漫才のような掛け合いに、こんなのがある。
「おやっさん、私が萌え萌えなものってなんだかわかりますか?」
「お前なら、なんでも萌えるだろうよ」とフロスト。調子が出てきた。モーガンといるといつもこんな感じだ。
「眼鏡っ娘とヤることを想像すると萌えるんですよ。まっぱに、眼鏡だけ」
「だったら眼鏡のレンズに息を吹きかければいい。お前のモノが小ささのを気づかれずに済む」とフロスト。p413
外国にも眼鏡萌えってあるんだねえ。