戴冠せるアナーキー――榎本俊二『えの素トリビュート』★★★★

kanedaitsuki2007-03-07

『ゴールデンラッキー』は条理ある不条理、論理的狂気というものの極北に到達した。その先はないものと思っていたら、一転して『えの素』全九巻は生々しいエログロを素材にしながら、さらなるアナーキーに突入している。泥酔していない醒めたアナーキーアナーキーは聖俗の垣根を破壊するが、ここには不思議な秩序感がある。おそるべき神聖な自己統御。この書は『えの素』からより抜いた作品とえの素ファンのクリエーターたちによるコラボレートである。岩館真里子大先生まで参加しているのには驚きを通り越して失禁してしまった。
新作『ムーたち』では、さらに反対の極端に走り、鮮明な曖昧さ、確実に存在する幻覚を描いている。
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