自由という概念

読売新聞書評に載っていて気になった一冊が半澤孝麿『ヨーロッパ思想史のなかの自由』。
amazonでの解説を引く。

人間は、他者の強制によらず、自己の自由な選択により行為する。この自由意志論はアリストテレスに現われ、中世アウグスティヌスとトマスにおいて確立されて以降、形を変えながらも近代の思想家に引き継がれ今日までヨーロッパ思想史を貫流してきた。そこでは、自由はすべての人と社会が守るべき絶対的規範として“倫理的力”を持ち、外的行為のみならず個人の内面にまで及んで“政治と非政治の緊張”をもたらす―著者はこの仮説の上に、テクストの歴史的解釈を一つずつ積み重ねることで自由の観念の形成、成熟、変容を具体的に追う。近代が人間を自由にしたとの既成観念を批判し、自由論における中世思想の決定的意味を指摘、その継承と変容として近代思想を探究するとともに現代自由主義の行方をも展望する。従来とは異なるパースペクティヴでヨーロッパ政治思想史を再構成、やわらかな文体で書下ろされた思想史物語。

安易な「西洋−近代」批判に激しく違和感を持つ私は、まさにこんな本を待っていた。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4423710668/qid=1148183297/sr=1-4/ref=sr_1_10_4/249-1083405-6954703