経済大国日本の相貌

自決の年に三島由紀夫は以下のような信条を吐露している。

私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行ったら「日本」はなくなってしまうのではないかという感を日ましに深くする。日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目のない、ある経済大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気になれなくなっているのである。

三島がここで憎悪している日本像を体現しているのがホリエモンであるといったらいいすぎか。
郵政民営化の是非はさておき、小泉首相のその意思の持続力、意志の実現のための強権ぶりは、やはりあっぱれとは思うのだが、郵政民営化なるものがそれ自体国家にとって最優先事項というわけではあるまい。選挙に行くことはないが、かりに投票するとしたら、私ならやはり自民党に入れるだろう。積極的な意味でではなく、消去法で。国家にとっての最重要事項である外交・国防政策について、他の党よりはましと思えるからだ。民主党のなかには西村眞吾議員のように(自民党議員よりも)しっかりした防衛思想をおもちのひともいるが、やはり全体としては不安だ。とはいえ自社さ連立の際の村山首相の転向ぶりの例もあるとおり、防衛政策がドラスチックに変わるということはないのだろう。それでも、沖縄馬鹿構想をかかげる党に入れるのは躊躇せざるを得ない。