伊坂幸太郎『アヒルと鴨のコインロッカー』★★★★★

この作者の作品は初読。ミステリと銘打っているが、青春ものの純文といわれてもまったく違和感なし。ミステリ作家にはコンプレックスからか、やたら文学文学した小説を書く輩もいるが、そういうのではなくあくまで自然体だ。
はじめに謎を提示して、解決へ向かうという本格ミステリとは違い、脈絡なく投げ出された出来事が最後の最後にきて収斂していく感じ。息詰まるラストの数ページはまさに圧巻。
非日常的なことを日常的に描く、という点で村上春樹チルドレンという気がする。それにしても凄い作家がいたもんだ。これから他の作品も読んでいきたい。
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