小田中直樹『ライブ・経済学の歴史』★★★★★

学問的水準を落とさないまま、できるかぎり平易に書かれた経済学史の良書。一般的な通事的記述ではなく、経済学が扱ってきた主な7つのトピックをピックアップし、それについて経済学がどのように考えてきたかを解説したところがユニークかつ鋭い。この本を読むことで、いままでごちゃごちゃになっていた経済学各派の立ち位置が、きれいに頭の中でマッピングされた感がある。日本ではいまだに近経対マル経という対立軸がアクチュアルに描かれたりするが、政府は何についてどこまで介入すべきか、というのは論点でありえても、市場経済そのものを否定する経済学(?)は、過去の遺物と見るべきだろう。
個人的には、経済学というものにも、数学や神学のようなシステム化された学の美しさがあるのだなあ、と改めて実感しました。実用にも役立つし、どしどし勉強したいと思う今日この頃。
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