笑いの金メダル

テレビ朝日系の最近多い芸人ネタ見せ番組の一つ。「爆笑オンエアバトル」と「エンタの神様」を足して2で割った感じ(製作者も自覚しているだろう)。AとBの二つのブロックに3組づつわかれて、それぞれ観客に投票させて、選ばれた2組を決勝でさらに戦わせるというやり方。
今回(5月14日)の決勝はロバートとエレキコミック。ロバートは終電を逃した二人の男が、暇つぶし屋という謎の男を呼び、意味不明の遊びをしつづける、といういわゆるシュール系に属するネタ。こういうのはえてしてほんとうに意味不明でひとりよがりになってしまうことが多いが、不思議とこういう男はいるかも知れない、というすれすれのリアル感があった。エレキコミックは店員が機械に扮することを除けばただのカラオケネタ。確かに後者の方がわかりやすいのだが(そして私も基本的にはわかりやすい笑いが好きだが)、どう考えてもロバートの方が面白かった。しかし、優勝はエレキコミックの方。
個人的にはヒロシがいい。自虐的な言葉を九州弁で連ねていくという独特のスタイル。ただあまり長い時間だとつらいかも知れない。

「とうとう、男か女かわからないひとを好きになったとです。
ヒロシです

「とうとう」をつけているのが、様々に想像を呼び起こさせてうまい。こういう短いフレーズを繰り返していくスタイル(だいたひかるなど)は、いかに言葉を選び抜くかにセンスが問われるという点で、俳句に似ている。