2007-05-04から1日間の記事一覧

ミステリの終わりの終わり――竹本健治『ウロボロスの純正音律』★★★★

作者は現在隆盛を極める変則ミステリの祖と言ってよいだろう。思春期に『匣の中の失楽』の影響を受けたミステリファン(現ミステリ作家も含む)は数知れない(かくいう私もそのひとりである)。『匣の中の失楽』は、反ミステリの金字塔である先行作・中井英…