夢を見てもたいがい内容を忘れてしまうのだが、今日はたまたま覚えているので書く。




見知らぬ土地にいて最寄の駅を探している。適当に歩いているうちに、閑散な住宅街に入り迷ってしまう。喫茶店を見かけたので道を尋ねようと扉を開けると、中にいるのは三人の外国人だった。全員ペルー人だ。いったん扉を閉めかけるが、「日本に住んでいるのなら日本語が話せるはずだ」と思い直し、一人に訊く。親切にも外へ出て来た。駅の方角だけを教えてくれればいいのだが、こと細かに説明するので、かえってこんがらがって分からなくなる。いつの間にか、目の前に大きな池が見え、そのペルー人は、「サッカーの季節になると、大きな船に乗ってペルー人が大挙してここに来る」と言う(池なのに?)。彼は拳を宙に振り上げ叫ぶ。
「自由だ〜!」
ペルー人は自由なんだね」と私。しかし、内心は逆のことを考えている。ふと思い出し、私はしゃべり出す。
「私の住んでいる大阪の××(なぜか香川ではない)にも、近所に喫茶店があって、ひとりのペルー人が働いている。彼はとてもいいやつで、いろいろなことを教えてくれるのだが、いつも何かを買わせようともする」
ふと目の前のペルー人にもお礼をしなければと思い、「店で何か食べるよ」と言う。
二人で店に戻る。何か読みながら食べたいと思ったので、「このあたりに本屋はあるか?」と尋ねると、さきほどのペルー人はぽかんと口を開けた切り何も言わない。いつの間にいたのか、が、やはり一言ももの言わぬまま、ある方向を指さす。小さな本棚がある。
中の本を少し見渡して、女流作家××の単行本を取り出し、席につく。ぱらぱらとめくってから文学論を語りはじめる。
「この女流作家は、文章が屈折しているから好きだ。男性の場合はいやだ。めちゃくちゃでも、梅図かずおみたいな人ならいいけど、たいてい不自然でいやだ」
「女性の・・生理・・」と
「そうそう、内部から来るから」




このあたりで夢は終わった。


「見知らぬ土地にいて最寄の駅を探す」(本編)
「巨大な迷宮のような建築物から脱出しようとする」
これが私の夢によくある二大設定である。