ヴィム・ヴェンダース監督作品『パリ、テキサス』★★★★★
好きで何度も見た映画。DVDが入手困難であったが、たまたま寄ったTYUTAYAで見かけて即購入。
4年間の記憶を失い砂漠を放浪する男が、助けられた医者によって弟家族と再会。そこには残してきた一人息子がいた。はじめはぎこちなかった二人は徐々に関係を取り戻し、息子の母を探す旅に出かける・・。
今回見て感じたこと。弟と家に戻るまでが結構長い。放浪の場面自体は映さず、このシーンによって、それを想起させることが狙いか。もちろんこれは、のちに息子と二人で旅する時の伏線にもなっている。また、息子と仲を取り戻すのが早い気がする。尺を考えれば仕方がなかろうが。もうひとつ気になることがあるが、それは書くまい。
今回のDVDには、編集の際泣く泣く(?)カットしたフィルムがほぼ全部収録されている。こういうのを見ると本編の評価にも影響してしまうので、逆に入れるのを嫌がるのではないかとも思うのだが、初上映からかなり年月がたっているからか、監督のコメンタリーさえ付いている。ファンにはうれしいサービスだろう。
ヴェンダースはほかにも幾つか見ているが、世評の高い『ベルリン・天使の詩』は限りない駄作だと思っているし、総じてあまり印象は良くない。それゆえ私の場合、監督が好きというより、この映画が、作品として好きなのだ。