ホリエモンは天皇制廃止論者?

昨日のエントリーにからめて、あんとに庵さんが議論を展開されている。
http://d.hatena.ne.jp/antonian/20050907
話の流れとしては「大統領制支持」→「天皇制廃止?」という感じらしい。天皇制についてもはっきり廃止をうたっているわけではない(ただし政治論理的にいって、大統領制天皇制(君主制)は背反するので、大統領制導入≒天皇制廃止には違いないのだが)。また理論武装した左翼のように天皇制を社会的な「悪」として糾弾するでもない。昨日のエントリーでもつけようかと思っていたが、というわけで、クエスチョンマークを附した次第。
ホリエモン氏は、天皇制は何の役に立ってもおらず無駄だからいらない、とおっしゃる。ところで、ホリエモン氏はかつて自著のなかで、政治家をやって何の得になるのか、私は絶対やらない、ともおっしゃっていた。あら、立候補したついでに、いつのまにか「政治家」の価値が上がってしまったらしい。「得か損か」=「もうかるかもうからないか」という貨幣価値に還元することをもって、ホリエモン的思考とするならば、実はこの価値ははげしく変動するものだということがわかる。たとえばゴッホの絵は生前ほとんど売れなかったそうだが、いまでは億単位で売買が成されたりする。つまり経済的(貨幣的)価値といえど、文化的歴史的社会的な諸条件に拘束されて成り立つのであって、その意味では常に相対的であり、逆に言えば絶対的な価値ではありえない。
この考え方が徹底されるともちろんニヒリズム(すべてのものは無価値)にいきつく。通常ひとは無意識にある価値体系を信用してしまっているので、そこまではいかない。実際、ホリエモン天皇制についての発言も、おそらくは戦後的価値観(水割り左翼思考)をそのまま出しているに過ぎない。つまりホリエモンは政治的に薄っぺらであるだけでなく、実は経済的(経営的)にも薄っぺらいのではなかろうか。ホリエモンが、その奇抜な発想を発揮して、「金になる天皇制」プランを打ち出してくれたら、私も支持しようではないか(笑
しっかりした経営者って、けっこう教養あるからね。経済経営のみならず、美術や文学、歴史に造詣の深いひとは多い。ホリエモンて経済にもうとい気がする・・
とはいえ、きちんと彼の発言を追ったわけではないので、ここではとりあえずの感想を書き記しておくのみである。いずれ3日後には結果が出る。